2019/06/10
岡山県美作市が事業用の太陽光発電所「事業用太陽光発電パネル税」を検討しているようです。
美作市、「太陽光パネル新税」の導入目指し、議会に条例案提出へ
情報ソース:メガソーラービジネス
概要としては
- 事業用太陽光発電所の太陽光パネル設置面積に応じ課税する新税を検討中
- 地方税法に基づく法定外目的税で導入されれば全国で初めて
- 実現には、総務省の同意や主要な納税者の理解などが必要
- 太陽光発電所の固定資産税の減価償却で減った納税額を補うもの
- 税制の用途は環境保全と防災対策
- パネル1m2当たり50円を2020年度から2030年度まで10年間課税する
- 美作市の場合は対象の8割がパシフィコ・エナジー(東京都港区)の発電所
というものです。
ちなみに美作は「みまさか」と呼びます。宮本武蔵の生誕地として有名です。
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美作市の太陽光パネル新税は無理筋
美作市の主張がもう、めちゃくちゃですね。太陽光発電に関わっていない人でも酷い税制だということが良くわかります。(笑)
対するパシフィコ・エナジーの反対意見としては以下です。
- 本新税は固定資産税の課税標準と同じで二重課税
- 再生可能エネルギー設備への新たな課税は、再エネ推進という国の政策に合致しない
- 税収の使途の「環境保全と防災対策」に関し、パシフィコ・エナジー独自に森林法(林地開発許可制度)の求める水準を超える緑化率や治水対策を行っている
明らかにこちらのほうが筋が良いです。
美作市は「税金をとれるところからとろう。だって作った太陽光発電所は逃げられないから。再エネの普及なんて知らんよ。」と考えているようにしか思えません。
どう考えても無理筋でしょう。
こんなことが認められるなら、例えば「たばこの副流煙対策を子どものために行いたいから、たばこ新税を設定する」とか税金を設定しほうだいです。
ただ、ちょっと心配なのはこの法定外目的税の設定には「総務省の同意」が必要だということ。
言いかえます。ふるさと納税で注目を浴びている総務省です。ちょっと心配。
同記事にも記載ありますように、この税制が認可されたら、ほかの自治体でも同税制が設定される可能性が高いです。というか100%設定されます。
太陽光発電事業者の業界団体である一般社団法人・日本再生可能エネルギー事業者協議会(JSEC)の東原隆行代表理事は、「(美作市で)事業用発電パネル税が導入された場合、あっという間に全国の自治体に広がる可能性が高い」と、条例の行方に危惧している。
万が一、同税制が設定されるようなことになれば、太陽光発電業界全体で設定されないような取り組みが必要だと思います。
美作市荻原誠司市長は通商産業省出身なのに再エネ普及反対派?
ちょっと気になったので美作市の荻原誠司市長の経歴を調べてみました。
なんと再エネを推進する立場の通商産業省出身(通商産業省⇒経済産業省)ではないですか。
これにはちょっとびっくりでした。
政治の世界のことはよくわかりませんが「出身母体のことを大事しながらコネクションをいかす」ものだと思っていたのですが、逆に言えば「出身母体だからこそコネクションがあるので押さえがきく」とも言えますね。
実際のところはわかりませんが、萩原市長が再エネ反対派だとしたら、経済産業省(資源エネルギー庁)を抑えにかかる可能性もありますね。
いやな世の中だなぁ。