2019/06/10
2019年6月11日の日経新聞に衝撃的な記事が掲載されました。
太陽光発電の買い取り終了へ 入札制度で価格競争促す from日本経済新聞
太陽光発電の関係者ならすぐにピントくるでしょうが、これは「今後の固定買取価格制度が終了(の検討を始めた)」というもの。
もちろん現在稼働中の太陽光発電の20年間の固定買取価格(いわゆるFIT)は現状制度が維持されます。
太陽光発電を詳しくない方であれば、勘違いをするかもしれませんね。
また帰省した時に母からは「あんたの太陽光発電は大丈夫なの?」と聞かれそうです。(笑)
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経済産業省が検討中なのは発電した電気の20年間固定価格買取制度
経済産業省が検討中なのは「太陽光発電の事業者がつくった電気を大手電力会社ががあらかじめ決めた価格で20年間の買い取りを保障するいわゆるFIT制度の終了」です。
再エネ賦課金の金額増から、国民負担が高まっており、その負担を減らすことが目的のようです。
代わって導入検討されるのは「発電事業者が、自ら市場で電力を売る」制度。もちろん、いちばん好条件の売電業者に販売することになるでしょうから、電力市場のオープン化につながるかもしれません。
太陽光発電事業のリスクには当たらない
先日「太陽光発電事業のリスクまとめ」を公開したばかりですが、今回のFIT制度の終了は太陽光発電事業のリスクには入りません。
今回の議論はあくまでも今後導入される施設についてであり、導入済みの施設にさかのぼるものではないからです。
もちろんこれによる施工業者や太陽光発電機器業者の倒産リスクなどはありますので、まったくノーリスクというわけではありませんが、事業という視点ではあまり気にするようなことではないかと考えています。
経済産業省は今後のエネルギー政策をどう考えているのかわからない
記事を見て感じたのは「経済産業省が今後のエネルギー政策をどのしたいと考えているのかわからない」ということです。
先に紹介した日経の記事にも「再生可能エネルギーを今後の主力電源として拡大する方針」とありますが、本当にそうなんですかね?
固定買取価格制度をやめても「再生可能エネルギーを今後の主力電源として拡大できる」根拠しめさないままではまったく説得力がありません。
個人的には本タイミングでのFIT完了は時期尚早でまったく賛成しかねるのですが、さてどのような議論、そして結論がだされるでしょうか。
注意深く動向を見ておく必要がありますね。